CarBiz
オーストラリアでの車販売事情
Sidの10行海外紀行 Vol.4 NO.004

  日本からすると、オーストラリアで車を購入するのは驚くほど高い。
オーストラリアで車を生産しているのはGMホールデン、トヨタ、フォード,三菱だけで、しかも生産車種も すごく限定されている。このような背景もあってか車の価格は高い。従って日本では5年もすると価格は相 当安くなるが、オーストラリアでは中古車も結構高い。
 私が使用していた車は社用車なので価格は解らないが、女房と娘が乗るために同じ会社の友人から8年乗っ た三菱のマグナ2000ccを8000ドル(64万円程度)で購入し4年間使用し7000ドルで売った 経験がある。日本では10年もすればただになるものだ。
 最近インターネットで調べた所、トヨタカローラ1.8リッター5速マニュアルの5ドアーハッチバック新車 で23,550ドル程度、5600kmの中古車で19,990ドル(160万円)で売りに出てた。日本ではどのくらいだろうか。
 車だけでなくカメラ、洗濯機、掃除機等も日本比べ高い。これらも中古で十分売れる。従って、車だけでなく色々な製品の中古品販売店が沢山ある。
 これが背景とは言わないが、オーストラリアではこそ泥が多い。私も赴任して数ヶ月立たないうちに、泥棒に 入られ日本から持ってきた新品の一眼カメラ、ビデオカメラ、望遠レンズ類を持っていかれた。たぶん泥棒は、 盗んだその足で中古屋に行き売り払っているはずである。こそ泥が多いのもこのような社会的背景で、中古品 が売れる環境があるからではと、思う。オーストラリアに長くいる友人は、盗まれたら警察に届ける前に古道 具屋に行った方が見かりやすいと冗談半分に言っていたのもいちがいに冗談ともいえない実感があった。
 オーストラリアでは平均物価は日本より安い。食料品、特に果物、肉類は非常に安い。オーストラリアも日本の 消費税に相当するGSTと言う税が掛かるが、食料品に関してはGSTが掛からない。日本のように一律消費税をか けるのでなく、生活に密着している品には掛けない仕組みになっている。
 帰国に際し、車を売るのに、日本人が良く集まる雑貨屋に車の写真と希望価格、自宅の電話番号を記入した簡単 なチラシを自分で作り、店に張ってもらう。大抵無料で張ってよく、結構学生、赴任者等が良く見ている。幸い 私の場合も、張ってから1ヶ月程度で売れた。本来は車の売買では10%の消費税が掛かかるはずだが、正規の 売買でないので(個人的にお客を見つけての直接取引きなので)10%のGSTは売買の両者とも払う意識が無 く、取引を終えていた。
 オーストラリアで珍しい日本製品は結構現地人が買うケースも多い。私たちが住んでいたモスマンは月に一度古 市が開催され、結構掘り出し物があると人だかりの盛況を呈していた。私達も銀製のワインクーラーや日本にな い人形、古本等を購入した。この市ではいかに値切るかに勢力を使い、消費税を払うと言う感覚が全く無く売買がされていた。
 感覚的にはオーストラリアでは良いものを大切に長く使う傾向があるに対し、日本は大量消費、使い捨ての傾向 が多く成ってきたような気がしてならない。これが物だけでなく、人間社会にも影響しなければ良いのだが。